テレビゲーム史




第1世代(1970年代)


 最初期に現れたゲーム機。最初のゲーム機と言われるオデッセイはCPUではなく、アナログ回路で電子ゲーム機能を実現していた。ゲームソフトがハードに組み込まれていて、後からソフトを買い足すことはできなかったが、スイッチで複数のゲームを切り替えることができるもの、切り替えカードを追加購入することでオプションのゲームをプレイできるものもあった。


1. オデッセイ  (マグナボックス・1972年)
2. ポン  (アタリ・1975年)
3. テレビテニス  (エポック社・1975年)
4. テレビゲーム15  (任天堂・1977年)
5. TVベーダー  (エポック社・1980年)






第2世代(1970年代後半 - 1980年代前半)


 Atari 2600 (VCS) は、ROMカートリッジを差し込むことで様々な種類のゲームを楽しむことができる最初の家庭用ゲーム機で、アメリカにおいて爆発的な人気を博した。また、サードパーティーのソフトを積極的に受け入れるビジネスモデルもこの時確立された。しかしアタリショックを起こしてアメリカのゲーム機市場 (パソコンゲーム市場は含まない)は一時壊滅状態に追い込まれた。日本におけるゲーム機の本格的な普及は、次のファミコン時代以後になる。


1. チャンネルF  (フェアチャイルドセミコンダクター1976年)
2. Atari 2600  (アタリ・1977年)
3. ビデオカセッティ・ロック  (GL・1978年)
4. VC 4000  (インタートン・1978年)
5. インテレビジョン  (マテル・1979年)
6. カセットビジョン  (エポック社・1981年)
7. Atari 5200  (アタリ・1982年)
8. コレコビジョン  (コレコ・1982年)






第3世代(1980年代前半 - 1980年代中盤)


 ゲーム機能に加えてプログラミング機能をそなえたホビーパソコン寄りの機種(ぴゅう太、M5、SC-3000など)と、ゲーム機能に特化し、第1・第2世代より優れたゲーム性能を実現した機種(ファミリーコンピュータ、光速船、セガ・マークIIIなど)があり、後者が成功を収めた。特にファミリーコンピュータは家庭用ゲーム機の本格的普及(アメリカではアタリショックからの復興)を担い、RPGや対戦型格闘ゲーム、2Dアクションゲームなどの今日に繋がるゲームシステムの原型もこの時期に出来上がった。また、ファミコンのパッド型コントローラーはコンパクトだが汎用性に優れ、以後のほとんど全てのゲーム機における入力装置の基礎となった。


1. ダイナビジョン  (ヤマギワ電気・1982年)
2. オデッセイ2  (フィリップス・1982年)
3. マックスマシーン  (コモドール・1982年)
4. ぴゅう太  (トミー工業・1982年)
5. M5  (ソード・1982年)
6. 光速船  (バンダイ・1983年)
7. SC-3000  (セガ・1983年)
8. ファミリーコンピュータファミリーコンピュータ ディスクシステム  (任天堂・1983年,1986年)
9. SG-1000  (セガ・1983年)
10. スーパーカセットビジョン  (エポック社・1984年)
11. セガ・マークIII  (セガ・1985年)
12. セガ・マスターシステム  (セガ・1987年)






第4世代(1980年代後半 - 1990年代前半)


 従来より高度なスプライト機能を搭載し、2Dグラフィックスの表現力が格段にアップ。ステレオサウンドが標準になり、サウンドによる表現も工夫された。ゲームの複雑化・高度化も進み、対応するコントローラーも多ボタン化が進んだ。他方、複雑で表現力豊かなゲームをROMカートリッジに詰め込むのには、容量不足による限界が見え始めてきた。ゲームソフトの大容量化によりコストも高騰し、9,800円以上のソフトが続出した。このような情勢から、従来のROMカートリッジに代わりCD-ROMを媒体に利用する機種が現れた。対応タイトルは、大容量を活かしたものとなっており、後の光ディスクによるソフト供給の基礎となった。

 この時期の家庭用ゲーム機の高性能化によりアーケードゲームやパソコンゲームとの性能差は縮まり、日本のパソコンゲームは家庭用ゲーム機で扱えないアダルトゲーム(いわゆるエロゲー)を除いて衰退の一途をたどった。

 尚、第6世代〜第7世代(及び第5世代携帯機)が現行機である現在においても、当世代の下記マシン(及び前世代の頂点であったファミコン)に対応したゲームが「神聖視」される傾向があり、「当時のハードウェア環境そのままでの新作」を望むユーザーも存在する。



1. PCエンジンCD-ROM2PCエンジンDuoSUPER CD-ROM2  (NECホームエレクトロニクス・1987年,1991年,1988年,1991年)
2. メガドライブメガCDスーパー32X  (セガ・1988年,1991年,1994年)
3. スーパーファミコン  (任天堂・1990年)
4. ネオジオネオジオCD  (SNK・1990年,1994年)






第5世代(1990年代中盤 - 1990年代後半)


 ROMカセットに代わって光ディスクがコンテンツ販売パッケージの主力となった。光ディスクは読み込みに時間がかかるという難点があるものの、データ容量が大きくさらに生産性が高いので、安価にゲーム媒体を量産可能になった。これに伴い音質の向上やムービー再生による演出が広がった。本格的な3Dグラフィックス機能が搭載されたゲーム機が現れ、ゲーム内での映像表現の幅が劇的に広がった。振動機能やアナログスティックを備えたコントローラも登場した。ドット絵に比べてポリゴンは製作コストも安く[要出典]、中小の新しいソフトハウスも台頭した。日本における据置きゲーム機市場が最も拡大したのもこの時期である。


1. Atari Jaguar  (アタリ・1993年)
2. Amiga CD32  (コモドール・1993年)
3. レーザーアクティブ  (パイオニア・1993年)
4. 3DO  (3DO・1994年)
5. セガサターン  (セガ・1994年)
6. プレイステーション  (ソニー・コンピュータエンタテインメント・1994年)
7. PC-FX  (NECホームエレクトロニクス・1994年)
8. プレイディア  (バンダイ・デジタル・エンタテイメント・1994年)
9. バーチャルボーイ  (任天堂・1995年)
10. ピピンアットマーク  (バンダイ・デジタル・エンタテイメント・1996年)
11. NINTENDO6464DD  (任天堂・1996年 - 1999年)






第6世代(1990年代末 - 2000年代中盤)


 3Dグラフィックスの表現力が格段に上がり、インターネットとの通信や5.1chサウンドにも限定的に対応し始める。メディアはDVD、もしくはDVDの技術を応用した独自規格のディスクが主流となった。ただし映像表現的には大量のキャラクター表示以外での分かりやすいインパクトを持った進化が少なかったため、第5世代からの本質的な変化を演出することは難しかった。

 大手メーカーではゲームの大作主義・シリーズ物重視がより一層進み開発費の高騰が進んだ。さらに、熱心なファンを相手にした人気ゲームの続編、壮大で複雑なストーリーを盛り込んだ作品、萌え重視の作品など、コアユーザー向けのマニアックな作品が蔓延した結果、「ゲームはマニア・オタクの趣味」としてライト層がいっそう離れていってしまった。大手メーカーやサードパーティーの統廃合も進行し、日本の据置きゲーム市場は(悪い意味で)転換期を迎えた。

 この世代の覇者はPS2である。しかし、ソフトだけを見ると「売り上げ20万本で大ヒット」と言われるなど、第5世代や第4世代よりもゲームソフトの売り上げが減少した。また、前述のようにサードメーカーの統廃合を促進したとする批判的な意見も、一部では見られる。

 なお、この世代になると近年のパソコンのグラフィックスカードのスペックと同様に、2D描画に関してはいずれのハードもほぼ進化の余地を残しておらず(PCでは事実上2D描画開発は終焉を迎えている)、機種ごとの差異も微々たるものとなった。

 この頃から、テレビゲームがコンピュータゲームの主流だった日本でもパソコンゲームが普及してきた。特に家庭用ゲーム機に先行してオンラインゲームが充実したことにより、10代中盤から20代のコアゲーマーは、パソコンゲームをメインにシフトする人が多かった。(なお、欧米では古くからパソコンゲームがコンシューマ向けゲーム機に並ぶほどの市場を築いている。)



1. ドリームキャスト  (セガ・1998年)
2. プレイステーション2  (ソニー・コンピュータエンタテインメント・2000年)
3. ニンテンドーゲームキューブ  (任天堂・2001年)
4. Xbox  (マイクロソフト・2001年)






第7世代(2000年代中盤 - 現在)


 Xbox 360とプレイステーション3は、解像度がHDTV画質に対応し、3Dは奥行きと繊細さを増し、大幅にリアリティを向上させた。Wiiに関しては、フルHD画質に対応せず、表示能力を前世代なみに留める一方、Wiiリモコンという新しいインターフェイスを採用し、ライトユーザの取り込みに成功した。

 また、上記の3機種いずれもネットワーク接続に標準対応し、ネットワーク対応ゲームの増加やコンテンツのネット配信も本格化している。LinuxなどのLive CDを利用して、パソコンとして利用するユーザーも出てきている。

 それぞれ前世代機との互換性を有しているほか(初期型以外のPS3を除く)、いずれの機種もかつてのハードで発売されたソフトの公式エミュレータを用意している。(しかし、国内市場ではほぼ無意味な物であったが)

 日本以外の地域では、いち早く発売されたXbox 360が順調に売上を伸ばし、後発のプレイステーション3及びWiiもこれにほぼ匹敵する売上を見せていた。しかし、日本ではニンテンドーDSがゲーム市場全体の7割を超えるシェアを誇るまでに爆発的に普及していることから「据置機そのものの存在が脅かされている」情勢であり、この世代を持って日本における据置機の歴史が終焉するという予想も一部には存在する。また、(特に日本では)PS2の市場が未だに強いことも次世代の移行を難しくしている。



1. Xbox 360  (マイクロソフト・2005年)
2. プレイステーション3  (ソニー・コンピュータエンタテインメント・2006年)
3. Wii  (任天堂・2006年)